MUSICDAY
その名の通り、日本中のライブハウスで、さらに9回目の今年からは公園でも、音楽をより身近に楽しめるスペシャル・デイ。各会場で趣向を凝らしたイベントが開催されるわけですが、5月4日は間違いなくSHIBUYA AXが面白い
今年デビュー20周年のザ・コレクターズに、21年目に突入したカーネーション、すこし若手で18年目(笑)のザ・グルーヴァーズ
日本のロック界で一目置かれる3組が、ただただ本物のロックを本気でかき鳴らすという、至極真っ当で、だけどもある意味ものすごく異端なこのイベント”WILD HORSES”。ガッツリ観せたいから持ち時間は各バンド1時間。みんなに観てほしいから特別価格の2006円!
さらにスタッフのこの迸る興奮を当日より多くの人と共有したくて、各バンドのボーカリスト加藤ひさし(ザ・コレクターズ)、直枝政広(カーネーション)、藤井一彦(ザ・グルーヴァーズ)をライブ直前に緊急召集。ステージとはまた違う、3組の魅力(魔力?)をお楽しみくださいませ。

ちなみに司会進行は、
○タツマキ・プロ 浜口真一(コレクターズの所属事務所の人で、3組のバンドの大ファン)と、
●グレイトフル 高橋伸一(このライブの企画者にして、今はなき、日清パワーステーションのブッキング担当として日本のロックシーンを牽引してきた立役者)という2人でお送りいたします。



加藤ひさし(ザ・コレクターズ)
http://www.the-collectors.net/


直枝政広(カーネーション)
http://www.carnation-web.com/


藤井一彦(ザ・グルーヴァーズ)
http://www.thegroovers.com/


●場所
SHIBUYA-AX
17:00PM開場、 17:30PM開演
●料金
【前売】
・1Fスタンディング
¥2,006(消費税込)
+当日ドリンク代(¥500)
・2F指定
¥3,000(消費税込)
+当日ドリンク代(¥500)
【当日】17:00から販売
・1Fスタンディング
¥3,000(消費税込)
+ドリンク代(¥500)
●一般発売
【チケットぴあ】(5/3まで)
(0570-02-9999)
(0570-02-9966)
Pコード:223-791
【ローソンチケット】(5/2まで)
(0570-084-003)
Lコード:34578
●お問い合わせ
【フリップサイド】
03−3470−9999
藤井:この3つでイベントっていうのはないですよね?多分。初めてですよ。
僕からすると、もっと早くやっても良かったのになぁと思うイベントなんですよね。みなさんはどうですか、この顔合わせというのは?
直枝:濃いよね、並んだ時に。
藤井:軽くはないですよね。
加藤:まぁちょっとドア開けにくい店に入る感じがするよね。こう、窓のないフィリピンパブみたいな。
入ったら最後、閉じ込められそうな。
加藤:そうそう。何年か前にものすごくインディーズが流行った時期があって。その頃って10年以上のキャリアのバンドがえらい古い感じがしてて。実際そういう扱いにもなってたじゃない?でもホントはみんなやり続けたいけどやり続けられないわけじゃん。10年、20年バンドでやり続けてる連中っていうのは、何かしら魅力があるわけであって。だから残ってるのは偶然じゃなくて必然だと思うんだよね。
藤井:そうですねぇ。
加藤:そういうことを自分でプロデュースして見せつけていくような企画をやっていかないとダメなんじゃないかって考えてたことがあったのよ。でもそれは後からついてくることで、今はとにかく曲を売らないとお話にならないよってある人に言われてしまってね、結局終息してしまったんだけど。だけどいつまでもそれを待っていてもしょうがないので、まぁ今回を絶好のチャンスとして、いかに長くやれたかっていうオーラを、AXで、この3バンドで見せつけられたらいいなぁと思ってるんですよ。
直枝:うん。塊として魅せていくことが重要だと思う。辿り着いたってところに今いるんだからね。ようやくそこに結びついたっていうのはすごく嬉しいね。
ちなみにお互いのバンドに対する印象って?
加藤:グルーヴァーズは格好いいギターバンドの最たるものだよね。カーネーションは一時期事務所もメーカーも一緒だったから親近感があるし。世代も一緒だから、同じように日本語ロックシーンを独自の解釈で、俺達はモッズっていう1つのカルチャーで突き進めて来たけど、カーネーションはカーネーションで独自に突き進んできたわけで。まぁ目指してるところは一緒だし、やり方もすごくわかってるっていうか。
直枝:僕からすると手強いですよ。そして手堅いよね。いつも最高のパフォーマンスを魅せられる2バンドなんで。俺なんかもっとデリケートというか、長い時間掛けてペースを作っていくマラソンランナー的なところがあるからさ。だから逆にこの2つと対戦するっていうのは燃えてますね。どうやってその瞬間を飛び出すかって。フフフ。普段3時間やってるから。それでようやくカーネーションらしさが、
加藤:えっ、3時間ライブやってんの?
カーネーションはアンコールからがもうひと盛り上がりですからね。
加藤:すごいねぇ。ウチは2時間までって決めてんだよね。
直枝:そこが手堅いなと思うよね。でも1回越えると止めらんなくなるよ。
ランナーズハイみたいな感じですか?
直枝:そうそうそう。ゼェゼェ言ってる自分が、いい!みたいな。ハハハ。
藤井:僕は数ある選択肢の中からバンドという表現形態を選んで、それを15年、20年やってるだけでリスペクトなんですね。自分も含めてなんですけど(笑)。その、続けるってことが果たして本当に格好いいのかわかんなくなった時期が、さっき加藤さんも言ってたけど、なくはなかったんですよ。でももはや超越の時期に来ているし、そこでこの3つが集まるのがすごく意義深いなぁっていうふうに思ってます。コレクターズさんは特にね、今、THEで始まってSで終わるバンドが絶滅の危機に陥ってるわけですよ。
加藤:クククク。確かに!
藤井:でもひとやま越えたでしょ?最近ザ・ストロークスとか出て来たもんね。一時はくるりとか、バンド名が数字とか、ええっ?!みたいな。ザなんとかズはもうダメかな?って思ったんだけど、それを乗り越えたとなると、これはかなりしぶといっすよ。で、カーネーションさんはね、昔パワステで一緒にやって、島倉千代子さんのカバーやってましたよね?
直枝:やってたやってた。
藤井:そういうやり方がニクい!というか気になる存在で。久しぶりにやるのをホンット楽しみにしてます。
今の話にも出ましたけど、バンドという形態で日本語ロックをやり続けているという部分でのけん引者というか。もっと上の年代の方もいますけど、でもずっとちゃんとライブをやってるっていうのは、ファンとして見て来た年代からするとすごく嬉しくて。自分がいいと思ってたものは残っていくべきものだったんだって自信を持てるんですね。だから僕、今回は一般のお客さんはもちろんですけど、若いバンドマンにも見てもらいたいと思ってるんですよ。自分達が10年後どうなりたいのかを考える機会になったらいいな、なんて思う。
直枝:やるべきことを常に最大限やってきて今があって、これからもずっとそうやっていくわけだもんね。だからそういうのをチラッと覗き見てみれば?っていう気持ちはあるよね。絶対俺達がいい結果出してやるぜっていつでも思ってるから、みんな。それはあたり前だから。
そうですよね。ヒットを出すってことを捨ててないですもんね。
直枝:ただそこで、おめぇらぁ!っていう気持ちはまったくないよ。
いや、でもそうやって戦っちゃった時期もあったと思うんですよ。
加藤:あったね、確かに。メジャーでやってる以上、どうしてもその時期売れてる4人組なら4組のバンドと同じ商品として扱われるわけだから。メーカーはザ・イエロー・モンキーが売れてる時には、コレクターズも同じくらい売れてほしいと思ってただろうし。ミッシェル・ガン・エレファントが売れてる時もそう思っただろうし。必ずそういうところで格闘していかなきゃならなかったし。でもちゃんと積み上げて来たことで、一時期に比べたら自分達の歴史みたいなものが認められて来て、同じようなロックバンドになっても売れないっていうのがようやくスタッフにもわかってもらえて。それでもやっぱり直枝くんが言うように結果を出さなきゃいけない部分は常について回る。それはインディーズでも一緒だし。生活していく以上ね、趣味でやってない限り。ただ俺は逆に若い連中にケンカを売りたいんだけどね。まだ俺達もルックスで売ってるんだぜって。
一同:ハハハハハ。
加藤:お前らよりいい服来てるし、ふざけんな!っていうところが実はあるんだよね、俺はね。
直枝:スタイリッシュなコレクターズっぽいよね。
藤井:そうそう。スタイリッシュ。
でもスタイリッシュとケンカ腰ってのはまた違う話でしょ!(笑)
加藤:意外とケンカ腰なんだよね、コレクターズって。悪いんですよ(ニヤッ)。
確かに本番前のピリピリ感ってありますもんね。
直枝:いつも堂々としてこーんな感じじゃない!
いや、ステージに立つ前の加藤さんはすっごく緊張してますよ。
加藤:比べて直枝くんは全っ然緊張しないよね。
直枝:すごいよ、俺も。ソワソワソワソワしてるよ。
ちなみに一彦さんは?
加藤&直枝:しないよぉ!
藤井:んー、緊張するんですけど、緊張してることに慣れてしまう。
加藤:昔、長嶋がさ、緊張を楽しめるようになるといいよねって言ったんだけど、ずーっと長嶋を見てるとその言葉の重みがどんどん薄れてくんだよね。
藤井:ハハハ。ピート・タウンゼントはでも、リラックスする必要はないって言ってたんだよね。慣れちゃえばいいから、緊張はするもんだからって。
しかしどうなんですか、緊張し続ける生活というのは。
加藤:毎回体調も状況も違うから、安心ってものがあるわけがなくて。多少は慣れても、ベストを見せたいと思ったらそのために引っ掛かるものも絶対にあるし。だからやっぱり俺は緊張するんだよなぁ。
直枝:緊張はするよ。だって体調も整えなきゃいけないからさ。何日も前からそれを目指すわけで。ただコレクターズは絶対にないと思ってたの。もういつでもピークパフォーマンスで…
加藤:そんなわけないじゃーん!けどそう考えたら3時間もやれるの?緊張したままで。
直枝:いや、途中でもうわかんなくなるわけよ。うん。3時間いいよ。
加藤:絶対できないって。ラブホテルだって2時間って決まってるんだから!そういうところで人間の時計ってのはちゃんとできてるのよ。
藤井:生理ですか?!(爆笑)
加藤:そう。楽しむのは2時間。LPは45分。やり過ぎは良くないよ、直枝くん。あっ、でもまぁ2枚組として考えればね。
直枝:そうだ。俺ら2枚組好きだから、カカカカ。
一体なんの話かわかんなくなってきましたけど(笑)。例えば長く続けていることでの苦悩だとか楽しさ、あとは他のバンドを見てこんなところが羨ましいみたいなことってありますか?
加藤:実は俺、ソロアーティストを聴かないんだよね。だからエルトン・ジョンっていい歌あるし、すごい好きなんだけど、夢中でアルバム聴いたかなって思うとね、バンドの形態を取ってないとダメなのね。だからザ・フーも大好きだけど、ピート・タウンゼントのソロは実は数枚しか持ってなくて。
藤井:リスナーとしてもバンドものが好きってことですか?
加藤:みたいね。バンドには窮屈な部分が必ずあるじゃん。ある程度の制限の中でビートルズもやってただろうし。でも、どうしてもその窮屈さからはみ出しちゃうもの。そのサムシングが俺は好きみたいで。
直枝:追い込んだ感じ?
加藤:うん。最初にビートルズの4人組のこう、固まってるフォルムがロックバンドだって擦り込まれちゃったから。ロック=格好いい=3人、4人、5人みたいな。バンド!!っていうのがもうあるからねぇ。だからソロアルバムを1枚も作ったことがないのもさ、そういう気持ちがまったく起きてこなかったからなの。
直枝:俺はソロの人をよく聴くんだ。ボブ・ディランとかニール・ヤングとか、やっぱバングラデッシュのコンサートからいろんなロック聴いたっていうのがあるから。あとは作家性みたいなところから入って、個人が悩んで悩んでどういう作品を作って来たのかってことをつい見てしまう。
藤井:俺もリスナーとしてはソロシンガーの音楽をよく聴きますね。まぁボブ・ディランも好きだし、スワンプ・ロックのソロの連中。トニー・ジョー・ホワイトとか、あんな枯れ枯れなものが好きで。
直枝:いいねぇ!
藤井:別に分けてるわけではないんですが、反動というか、ピンで立ってる人への憧れみたいなものがちょっとある。表現形態としてはやっぱバンドが一番好きですけどね。
加藤:そっかぁ。エルヴィス・コステロもアトラクションズと一緒にやってるのしか聴かないんだよなぁ。
直枝:俺、武道館の弾き語り行ったよ。
加藤:俺も行ったんだけど楽しめないのよ。ポール・ウェラーのソロ観ても全然ピンと来なかったし。ダメだね。俺の場合は擦り込みがあるね。
藤井:さすがですね。THEで始まってSで終わるバンドを20年近くやってるだけあるわ、すっごい。
加藤:ベスパも25年乗ってるし。一回こう決めたらこう!なんだよね。音楽やってる人って偏見があるじゃん。自分でも反省してるけど、すごくわかってるけどダメだね、そこはね。
直枝:チャーミングな大人の発言だね。加藤くん変わったんじゃない?フィードバックしてさ、大きい感じで見てるね、今ね。
加藤:まぁミストラル(コレクターズ、カーネーションが在籍した事務所)が潰れたからねぇ。
直枝:お互いいろいろあったから。
加藤:ただ面白いのはね。そういうトラブルがあった時にさ、じゃあ音楽辞めて何があるんだっていう時に、コータローが冗談でこう、求人誌とか持って来るんだよ。でも年齢が全然届かないわけよ。ダメだな、コータローって言って。じゃあ練習するか、みたいな。
藤井:まさにそれですよ。だって続けなきゃみたいに思ってますか?
加藤:いや、もうこれしかできないってふうになってるよね。
藤井:ですよね。実は続けているというより辞められないみたいな。
加藤:諦められないっていうのが1番近いかな。ガキの頃に思ってた格好いいロックンロール像みたいのがあるじゃない。それに近づきくて未だに追ってる感じなんだよね。
直枝:俺も最高のアルバムを作りたくて来た感じだな。それが今も続いてるっていうか。前作を越えて、越えて、越えて。だから止まってすべてをゼロにすることは考えたことがなくて。ただ俺らは5人から3人になってね、途中でフォルムを変えたんだけど、その時はさすがにいろんなことを考えたよ。
藤井:2人減るのはキツいっすよね。
加藤:リズム隊変えるのですらキツかったもんね。
藤井:そこからも十何年ですよね?
加藤:うん。今の4人で15年やってるからね。
直枝:そう考えると俺らはまだ4年なのよ。1回気持ちがリセットされてるから。
加藤:そっか。ゼロじゃなくてもリセットモードは入ったんだ。
直枝:入ったよぉ。だって体で感じるライブ感がまったく違うからさ。俺がギターソロ弾いて、歌って、お客さん盛り上げて、それを3時間だから。お客さんはいなくなった2人分の何かを見てたりするわけじゃん。で、ちゃんとお返しもしてもらいたいと思ってるわけで。それを倍返しするっていうつもりでやんないといけないから、それはキツかったっすねぇ。
藤井:僕らはアタマの3年はリードボーカリストがいたんですよ。それが脱退して、まぁトリオでの時間の方が遥かに長いんですけど。最初はあの、それまでの持ち歌を全部捨てまして。1ステージ分の曲なんて全然ないのに、できたばっかりの下北沢シェルターでワンマンの日程を抑えて、それで全曲新曲でいきなりやったんですよ。一同:スゲェーッ(驚)。
藤井:その時は直枝さんとまったく同じでしたね。リードボーカリストになって、ギターソロも弾いて、客も盛り上げてっていう全部をやって。たまにしか当たらなかったスポットライトが当たりっ放しでもう、眩しくってしょうがなくて。ですけど、そうやって少々無茶なリセットを掛けないとダメだったんですね。
でもそのまま朽ち果てていく人達もいるわけじゃないですか。
藤井:その頃、第2バンドブームみたいなのがちょこっとあって、レコード会社の契約切れと同時に解散するようなバンドが多くって。とにかくそれと一緒にされるのが嫌で。だからリードボーカルは抜けたけど、これはバンド名変えずに続けたいと。意地で続けられたところは結構ありましたよね。ただ最近はもう、辞められないからやってるっていうニュアンスの方が近いかな。
ついでだから聞きますが、メーカーや事務所やメンバー、それぞれ理由は違えど、環境が変わる中でバンドを維持していくというのはどうなんですか?
加藤:まぁ細かいこと言ったらバンドも会社だからね。経理も必要になれば、給料ももらわなきゃやっていけないんでキビシーんだけど。でもよくよく考えると大道芸人と一緒なんだよね。イカした曲を作っていいショーをやれば客が入る。そしたら儲かるっていう単純な話なのよ。だからバンドさえしっかりしてれば日銭は稼げる。それはいろんなことを繰り返す度に痛烈に感じたね。
直枝:誰かに言われてじゃなく自分達で責任を持って制作していく立場になると、自分から言い出さなきゃ何も動かないじゃない?だから常に責任重大だし、逆に不透明じゃないから気持ちもクリアーに制作できるような状況になって来てますね。だから俺達がそういうやり方でどんなふうに大きくみんなに見せていくかってことを、これから作り出していくべきだと思いますよね。上の人達はもっと立派だったり、何もしなかったりするんで(苦笑)。
加藤:結局さ、俺達より上ののんびり続けてる連中って、どっかでヒットがあったりしてやっていける状況が自然とできてるのよ。ところが幸か不幸かカーネーションにしても、グルーヴァーズにしても、コレクターズにしても、みんながこれねっていうような大ヒット曲がないじゃない?それでも信念があって何年もやり続けていくことがもしできたとしたら、ロックバンドを途中で諦めそうな連中にとってもね、ものすごい精神的な糧になると思うのよ。コレクターズが30年やったじゃん。えっ、コレクターズ?知らねぇよ誰も、ってことがあったとしても、そういう事実が残ったってことがこう……2人もあったと思うけど、なんでもかんでもNHKの歌番組に出して、アイドルと同じように行儀よく歌ってくれってさ、カラオケで歌えるか、ボケ!みたいな(爆笑)。そういうシステムがなくなるじゃん。俺らみたいなバンドがどんどん続いてくれば健康的になってくると思うんだ。別にラジオでうまくお喋りできなくったって飯は食えるんだよ!っていう。
直枝:でも加藤くんはうまいよ、十分。
加藤:そりゃあ俺はクイズ番組とかに出たいタイプだからね。
一同:ハハハハハハ。
加藤:でもやっぱり芸能界とロックシーンっていうのはまったく別モノだよ。ただお茶の間は画面に映ってれば”ポップジャム”で歌おうが、”さんまのからくりTV”に出てようが一緒じゃん。歌うのと同じくらい面白いお喋りしてくださいよって言われたって無理だっつーの。
直枝:みんな安心したいんだよね。テレビを見たり、ラジオ聴いたり、悩みたくないんだ。いちいち考えたくない。だからちょっとでも頭使わなきゃわかんないものに対しては目を伏せるっていうところがあるよね。でもそこはホントは逸らしちゃいけなくて。見ていかないと想像力って止まっちゃうから。だから俺達も敷居高くせずに、常に最高のパフォーマンスしていかないとって思う。
加藤:まぁそれしかできないしね。
直枝:降りていくことってできないじゃん。だから厄介なのは、僕たちがあえてそういう道を選んでるところだよね。昔の研究したり、文脈調べたりして今の俺はここにいるとか、ホントに好きなリスナーは俺達を流れで見てくれるし、曲をそういうふうに聴いてくれるけれども。なかなかそうじゃない人には入れないっていうのは確かにあるから。
例えばバンド発信のイベントって、姿勢やこだわりが見えるからもっとやって欲しいなと思うわけですよ。逆に今回のイベントが盛り上がったら、この3バンドでツアーやるか!くらいのことも俺は勝手に思ってたりしてるんですけど。そういうイベント作りに関して、加藤さんなら若手とやって潰したいとか(笑)、何かあったりします?
加藤:サンボマスターを潰したくてねぇ。高知で一緒にやったんだけど潰されたね。あの激しさ、アホさ加減にはやられたよ。完全に負けた。
直枝:コレクターズが負けたの?!
加藤:俺達はお洒落過ぎたね。
一同:ギャハハハハ。
加藤:でも打ち上げですっごい仲良くなったよ、家が近所って理由だけで(笑)。いや、若い連中は若い連中で格好いいじゃん。
藤井:うん。そうですね。
加藤:真っ向から行ったって勝負できねぇんだよ。もう肌の感じが全然違うもん。
藤井:ハハハハハハハ。肌って!そっちですか。
加藤:女の人と一緒で、ロックバンドも若きゃ許されることってたくさんあるのよ。
藤井:いや、バンドって確かにそうかもしれない。
直枝:ただ練習し過ぎっていうか、なんか手堅くない?スリルが欲しいなぁと思う時あるよ、若い子の音聴いてると。
加藤:そんな中でサンボマスターは久しぶりに見たアホウで良かった。リハからあんなに思い切り歌ってるバンドはいないよ。で、本番の最後は声出ないっちゅー、何やってるんだよ!って。お前らこそ本当のザ・フーだって言ってあげたけどさ。
直枝:いいね。そうやってダメなところを出せるって強いことだよね。
加藤:久しぶりにモッズ魂に火がつきましたね(含笑)。ただ、今オッサンがそれやっても新橋で暴れてるサラリーマンみたいになっちゃうから、そこはうまいこと見せないと。
藤井:やっぱ加藤さん、お喋りも最高ですね!ある意味僕なんかはプロも年々多様化してるから、明確な答えってなくなって来てると思うんだよね。もはや自己申告性だと思うんですよ。
加藤:自称プロ?
藤井:そう。自称プロでいいと思うんです。昔はそれって怪しかったけど、今ってモロそうじゃないですか。ただ名乗った以上は格好いいことやんないとっていうのがあって。いや、食うのはしんどいですよ。この世知辛い東京砂漠で、THEから始まってSで終わるような古い連中は大変なんですけど(苦笑)。そういう野暮は言うなよ、すごいもん見してやるから、みたいなのはあって。なんで続けてんのかは見に来たらわかるよ!ってことをやりたいと思ってますね。
じゃあ具体的に5月4日はどんなところを見てほしいですか?
加藤:ここ数年、CDが売れない時代だと言われてるじゃないですか。いろいろ考えてみると、自分もロックアーティストのCDをあんまり買ってないんだよね。でもライブは行ってるのよ。それってCDで感じるロック感っていうのにみんなが慣れちゃって、普通にいい曲、多少音質が良くなったくらいじゃあ飛びつけなくなってるってことだと思う。ロックの聴き方が変わりつつあると思うのよ。
さっき直枝くんも言ってたけど、高度なものを理解しようとしないような、世間的にはそういう感じになってるじゃないですか。でもライブっていうのは意外と高度なことやっててもダイレクトに伝わるので。俺はね、これからロックは体張って金を稼ぐ時代だなってすごく思ってるの。ローリング・ストーンズのチケット代が高いのもそういうことなんだよ。アイツらはCDで稼ぐんじゃなくてチケット代で稼ぐ。だから安過ぎるよ、今回は。逆に12,006円で売りたいくらいだよ。
藤井:値打ちのあることやればまったく問題ないわけだから。
加藤:そういうことそういうこと。格好いい音と空気をしっかり売る。それはお互いにとっていいことだと思うんだよね。客も今日はものすごいもの見たって思えたら最高だし、俺達は最高なものを見せるために日々鍛えなきゃならない、休んでられない。そういう気持ちに自分はなってきてるので、そこを見てほしい。そしてそういう時代が来るよ。野球を見に行くようにライブを見る。あんなのテレビでダイジェストを見たってしょうがないんだから。勝った負けたの話じゃないんだ。相撲もそう。力士がぶつかりって肌が赤くなる。その音を聴いた時に、ロックだー!!!って。
藤井:おおおお、メチャクチャ的確ですよ、それ。
加藤:で、食っていけるチケット代にすればいいんだ。そこが大事。
では今回のチケット代表には、本来12,006円のところ今回に限り2,006円!1万円引きと書いておきます。
加藤:うん。俺達は12,006円のつもりでやるのでね。
直枝:もう加藤くんがほとんど言ってくれたけど。しかも長くやってきたってさっきからずっと繰り返してるけど、その間には俺達の創意工夫があって、そのおかげで今ここにいるので。多分来たお客さんはそこも感じられると思うので。音の佇まいと、俺達の佇まいと、響きと、全部楽しんでほしいと思うし、感じてほしい、考えてほしい。想像力が湧くライブになるといいね。
加藤:スバラシイ!直枝くんが言うと断然説得力が出るよなぁ。
ではここからはアンコールについての作戦会議です。
今回はグルーヴァーズ、カーネーション、コレクターズの順ですので、僕らとしてはコレクターズに直枝さんと一彦が入って、それぞれが持寄った曲を1曲ずつ、全部で3曲やれればいいなぁと思ってるんです。せっかくここでしか観れない組み合わせなんで。
直枝:俺はこれやりたいのよ。ストーンズ「ワイルドホーシズ」。コレクターズにベーシックをやってもらって、藤井くんのギターと、ウチの矢部くんのスティール、そして俺がアコギっていう感じで。
藤井:スバラシイ。じゃあ僕はどうしましょうかね。最近アンコールでやってるルー・リードの「スウィート・ジェーン」を日本語でやろうかな。
加藤:俺はえっと、んー……今回カーネーションはキーボード入れないの?
直枝:うん。でもどういうキーボード?
加藤:いや、「ハッシュ」をやりたいなと思ったの。
直枝:ジョー・サウスか、いいねぇ。
加藤:あれのクーラー・シェイカー・バージョン。無理して若ぶるみたいな(笑)。
直枝:カカカ。盛り上がるんじゃない?
藤井:クーラー・シェイカー・バージョンって全然違うんすか?
加藤:多少早いのと、”なーなな、なーなな、なーなななー”が、”なーなな、なーなな、ななな”って、最後の”なー”が1個ないんだよ。コイツらバカじゃないか?って思うんだよ。
藤井:そこ大事なところだろう!みたいな。
加藤:そうそう。「ハッシュ」なら自由にソロもできるから、格好いいね、きっと。
●○じゃあ決定で。当日、楽しみにしてます!!



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